2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震による大災害を目の当たりにした私たちは、地球がもつ莫大なエネルギーとその営みの複雑さを改めて認識しました。過去46億年間に地球表層から内部で起こっている様々な地質現象を解析し、理解することは、私たちがこれから地球と共生していくために必要不可欠なことといえるでしょう。地球進化学主専攻は、地球の誕生から現在にいたる進化史上の様々な地質現象の探求を基礎として、地球生命圏の共進化過程の解読と定量的な未来予測を共通の課題としています。この目的を達成するため、本主専攻では6つの分野(地史学・古生物学、地層学、地球変動科学、岩石学、鉱物学、地球資源科学)を設けて、専門的な研究・教育を行っています。
地球進化学の重要な基盤の1つとして、野外調査があります。特に、生物圏・地球表層環境の変遷や、地球のダイナミックな変動や進化過程の理解のために、多くの野外巡検を実施しています。卒業研究で海外でのフィールドワークをもとに研究を行う例も少なくありません。一方で、変形再現実験や、地球物理学的観測データを用いた地震学的解析やシミュレーションのような室内作業も、活発に行われています。また、同位体分析や微小領域組成分析が可能な分析装置を専攻内に設置し、岩石・鉱物・鉱床の生成機構の解明を行っています。卒業生の多くは大学院に進学してより専門的な研究を行い、国内外の学会で活躍しています。このように本主専攻では、地球システムにおける表層・内部環境の変遷を総合的・多角的に解析し、理解できる人材の育成を目指しています。